平成19年度秋季研究発表会

日本音楽知覚認知学会2007年度秋季研究発表会プログラム
    20071124日(土)、25日(日)
    於: 東京藝術大学  (世話役: 亀川徹 先生) ※音楽音響研究会との共催
■ 講演時間: 25分 (発表17分+質疑応答6分+入れ替え2分)
■ ◎印は研究選奨受賞の有資格者を表す。
※理事会: 11/24 (土)  12:35~13:35
11月24日(土)
セッション1 9:00 10:40 座長: 岩宮 眞一郎
[1] 9:00 9:25 0:25 録音物に対する演奏家の意識 ―残響感に対する主観評価― 山田哲宏、亀川徹、丸井淳史(東京芸大)
[2] 9:25 9:50 0:25 音楽聴取における音楽以外の情報の影響について 森本裕子、亀川徹、丸井淳史(東京芸大)
[3] 9:50 10:15 0:25 オーケストラのサラウンド収録手法による印象の違いと物理量との関連について 亀川徹、丸井淳史(東京芸大)、入交英雄(毎日放送)
[4] 10:15 10:40 0:25 ホール音響に応じた演奏表現の調整 - 第三者の試聴による演奏音の差異の抽出 川井敬二(熊本大学大学院自然科学研究科)、加藤浩介(大阪大学先端科学イノベーションセンター)、上野加奈子(東京大学生産技術研究所)
10:40 10:55 0:15 休憩
セッション2 10:55 12:35 座長: 西口 磯春
[5] 10:55 11:20 0:25 ヴァイオリン演奏における弓毛の張力と音色の関係に関する研究 松谷晃宏(東京工業大学 半導体・MEMS支援センター)
[6] 11:20 11:45 0:25 バイオリン演奏時の指板への応力 ◎小幡哲史、木下博 (大阪大学大学院医学系研究科) バイオリンの指板内(A線のD音部)に3軸の小型力量計を装備し、バイオリン奏者が演奏中に弦を押さえる応力の検出を試みた。本研究では、音の強弱や音価との関係、ビブラート音発生時の応力特性について報告する。
[7] 11:45 12:10 0:25 マンドリントレモロ音の変動感が熟達度評価に与える影響 ◎安井 希子(龍谷大学大学院・理工学研究科)、寄能 雅文、三浦 雅展(龍谷大学・理工学部) 本研究では,マンドリン演奏におけるトレモロ音の変動感が主観的な熟達度評価に与える影響について調査している.具体的には,トレモロ音の変動感を調査し,それらに対する熟達度評価に与える影響について調査している.
[8] 12:10 12:35 0:25 音楽作品の感情価解析への3元MDSの適用 辻 光宏(関西大学・総合情報学部)、岸原 万梨子(NTT西日本) 演劇関係者を被験者とし,演劇でよく使われる音楽作品に対して,感情価に基づいた分類に取り組んでいる.3元多次元尺度解析法のINDSCALモデルを用いて,分類表現の改善を試行したので,その結果を報告する.
12:35 13:35 1:00 ランチ
ピアノセッション(1) 13:35 15:25 座長: 山田 真司
[9] 13:35 14:05 0:30 ピアノの音色について (招待講演) 中村 勲(株)アテナ(元静岡大・電通大・帝京平成大)
[10] 14:05 14:30 0:25 イメージを喚起させる事による音楽の創出~ピアノ指導の可能性への一考察~ 古根川 円(山口大学大学院・教育学研究科) 音楽においてイメージすることは非常に大切である。本研究ではピアノ演奏とイメージの関係についてMIDIを用いて詳細に実験した。その結果、イメージすることの有効性とその可能性について知見を得たので報告する。
[11] 14:30 15:00 0:30 異なるタイプの伴奏者による伴奏調整過程の分析 (招待講演) 高橋範行、大浦容子(新潟大学教育人間科学部)、津崎実(京都市立芸術大学音楽学部) 合奏では相手の演奏傾向に対するモデルをたて、そこに自己の演奏をうまく同調させていくことが重要である。本研究では伴奏のタイプが異なると思われるピアニスト2名による伴奏調整過程を分析し、合奏におけるメンタルモデル構築の役割について検討を行った。
[12] 15:00 15:25 0:25 熟練ピアニストとピアノ初心者の打鍵運動制御の動力学特性の違いについて ◎古屋晋一、木下博(大阪大学大学院 医学系研究科) 熟練ピアニストとピアノ初心者のピアノ打鍵動作における動力学的特性の違いについて検討した。その結果、ピアニストは初心者に比べ、より多くの運動依存性の力(相互作用トルク)を利用し、それにより、運動の生理学的効率を高めていることが明らかと なった。
15:25 15:40 0:15 休憩
ピアノセッション(2) 15:40 17:25 座長: 柳田 益造
[13] 15:40 16:05 0:25 fNIRSによるピアノ演奏時の脳機能計測について 廣瀬百合子(一橋大学大学院言語社会研究科)、山本佐代子(TBIリハビリテーションセンター)、武田昌一(近畿大学生物理工学部)、鷲見成正(帝京平成大学健康メディカル学部) 本研究は、ピアノ演奏時の「読む、数える、指を動かす、聴く」等の連続する行為を個別に抽出し、脳活動をfNIRSで計測することによって、ピアノ演奏時の脳機能を検討することを目的としている。今回は第一段階として、計測部位や課題について検討した。
[14] 16:05 16:30 0:25 1オクターヴ内のピアノ音階演奏に対する熟達度の自動評価 江村 伯夫(同志社大院)、森田 慎也、三浦 雅展(龍谷大・理工)、秋永 晴子(夙川学院短期大)、柳田 益造(同志社大・工) 1オクターヴ内のピアノ音階演奏に対する演奏熟達度の自動評価について検討している.初心者による演奏データとそれらに対する複数の熟達者による評価値を用いることで,入力された演奏データに対する自動評価を実現している.
[15] 16:30 16:55 0:25 ピアノとクラビコードの試作について 西口磯春(神奈川工科大)
[16] 16:55 17:25 0:30 ピアノという楽器の物理モデルからの考察 (招待講演) 高澤 嘉光
17:30 17:40 0:10 研究選奨授賞式 司会: 仁平 義明
17:40 18:10 0:30 ピアノ演奏によるミニコンサート 司会: 亀川 徹
18:10 20:10 2:00 懇親会
11月25日(日)
セッション3 9:00 10:40 座長: 水谷 孝一
[17] 9:00 9:25 0:25 わらべうたの聴取における中心音と近接性の影響 ◎布袋田由理子(東京大学大学院工学系研究科)、竹中毅(東京大学人工物工学研究センター)、上田完次(東京大学人工物工学研究センター) わらべうたの聴取における中心音と近接性の影響を検証するため,中心音との協和度と,隣り合う音,特に終止音とその直前の音との近接性を評価する指標を用いた旋律生成を行い,生成曲の印象評定実験を行う.
[18] 9:25 9:50 0:25 朗読される詩の理解に背景音楽が及ぼす影響 ◎生駒 忍(筑波大学・人間総合科学研究科)、二井内絢香、工藤麗弥(筑波大学・人間学類) 朗読される詩の理解に背景音楽が及ぼす影響について実験を行い、音楽が同一モダリティの情報処理にどのように影響するか検討した。実験の結果、詩の情緒的評価は音楽の感情価の方向へ影響され、認知的評価には影響が現れなかった。
[19] 9:50 10:15 0:25 音高・音価テンプレートを用いた単音節歌唱の採譜精度の向上 来海 大輔、江村 伯夫(同志社大院・工)、三浦 雅展(龍谷大・理工)、柳田 益造(同志社大・工)
[20] 10:15 10:40 0:25 クライアントサーバ方式によって入力画像から音楽を生成するシステム 加藤 謙介、江村 伯夫(同志社大学・院)、柳田 益造(同志社大学・工)
10:40 10:55 0:15 休憩
セッション4 10:55 12:35 座長: 谷口 高士
[21] 10:55 11:20 0:25 音楽演奏表情データベース CrestMusePEDB の計画と公開について ◎橋田光代(JST CrestMuseプロジェクト,関西学院大学理工学研究科)、松井淑恵(JST CrestMuseプロジェクト,京都市立芸術大学)、北原鉄朗(JST CrestMuseプロジェクト,関西学院大学理工学研究科)、酒造祐介(関西学院大学理工学部)、片寄晴弘(JST CrestMuseプロジェクト,関西学院大学理工学部) 本稿では,音楽知覚認知・音楽学・音楽情報科学等における共通研究基盤の構築を目的として集積を進めている,伝統的西洋音楽を対象とした演奏表情データベースCrestMusePEDB の概要と第一期分の公開について述べる.
[22] 11:20 11:45 0:25 ICMPC10-Rencon 開催計画と演奏表情付けの現状について ◎橋田光代(JST CrestMuseプロジェクト,関西学院大学理工学研究科)、片寄晴弘(JST CrestMuseプロジェクト,関西学院大学理工学部)、平田圭二(NTTコミュニケーション基礎科学研究所 我々は,演奏表情付けにおける評価研究プロジェクトの一つとして,生成演奏の聴き比べコンテストRenconを開催してきた.本稿では,来年度開催するICMPC-Rencon’ 08 の実施計画について紹介するとともに,近年の演奏表情付け研究の現状について述べる
[23] 11:45 12:10 0:25 映像の回転運動パターンと音高の変化パターンの調和感について ◎北野博之(九州大学芸術工学府)、岩宮眞一郎(九州大学芸術工学研究院)、金基弘(九州大学芸術工学府) 回転運動をする映像素材と音高の変化パターンを組み合わせたときの調和感について印象評定実験に基づき検討を行った。回転運動の上下の動きと音高の上下の推移が一致したときに調和感が上昇する。連続運動の場合には,音の変化が若干遅れた方が調和感を高める。
[24] 12:10 12:35 0:25 伴奏和音の知覚における音楽熟達度の影響:事象関連電位による検討 菅家(奥宮) 陽子(財団法人ヤマハ音楽振興会)、伊藤 浩介(新潟大学脳研究所)、中山 洋(財団法人ヤマハ音楽振興会)、中田 力(新潟大学脳研究所) 同じ旋律に2種類の伴奏和音をつけて音楽熟達者と非熟達者に呈示し,聴覚刺激の変化検出を反映する事象関連電位であるミスマッチ陰性電位を記録したところ,音楽熟達者では非熟達者よりもミスマッチ陰性電位の振幅が大きかった.
12:35 13:35 1:00 ランチ
セッション5 13:35 15:15 座長: 三浦 雅展
[25] 13:35 14:00 0:25 MIDI制作における音の強さをより良く聴き分ける方法の検討 段王れい子、江島徹朗、野崎浩成(愛知教育大学・学校教育情報教育)、小田哲久(愛知工業大学・経営情報学部) 音を基準音に合わせるよう調整する訓練を行うことが,音の強さを聴き分ける能力にどう影響を与えるか研究した。調整するよりひたすら聴くだけの訓練が,成績が良くない群に影響を与える結果となった。
[26] 14:00 14:25 0:25 連続する2つの減衰音の音色と分離感―両耳間位置と時間的重なりの影響― 山崎晃男(大阪樟蔭女子大学人間科学部)、桑野園子、難波精一郎(大阪大学) ピアノ音のような減衰音の音色に及ぼす音の重なりと左右のレベル差による両耳間差の効果について実験的に検討した。
[27] 14:25 14:50 0:25 インシュレーターの開発(浮かんだピアノという発想)によるピアノの音の明晰性の追求 上野 泰永(スティマー・ザール・音楽スタジオ) 、森下 修次(新潟大学・教育人間科学部 ) 床とピアノのキャスターの間に空間を作ることで、ピアノの脚元の振動をインシュレートし、音の歪みやノイズの解消を実現。新しいインシュレーターの考案により、床に伝達されていた振動を空気振動に変換して、ピアノ本来の音をクリアーに伝えることが可能になった。
[28] 14:50 15:15 0:25 音楽聴取において知覚された感情と経験された感情の比較―因子得点からみた個人差の分析― 星野悦子(上野学園大学 音楽・文化学部) 星野・松本(2007)では、音楽 聴取の際に曲から感じ取られる感情と自身の内部感情との違いを因子分析によって比較検討した。星野は今回分析をさらに進めて、被験者の標準因子得点による 分析を行なう。また、音楽熟達者の因子得点から浮かび上がる2種類の音楽的感情の特徴についても検討する。